「銀行から借入をしているけれど、さらに運転資金が必要になった」 「前回の融資を返済中でも、追加で融資を受けられるのだろうか」
事業を続けていると、売上の拡大や設備投資、大口受注、仕入れの増加などによって、当初の想定以上に資金が必要になることがあります。
このような場合に検討されるのが追加融資です。
既存の借入が残っていても、追加融資を申し込むことはできます。ただし、現在の借入状況や返済実績、追加で資金が必要になった理由、今後の返済計画などを整理しておくことが重要です。
この記事では、追加融資を受ける方法や審査で確認されるポイント、申し込むタイミング、断られた場合の対処法について解説します。
追加融資とは?既存の借入が残っていても利用できる?
追加融資とは、すでに事業資金を借りている状態で、さらに新たな融資を受けることです。
たとえば、1,000万円の事業融資を返済している途中で、新たな設備投資や運転資金として500万円を借りるようなケースが該当します。
既存の借入が残っているからといって、それだけで追加融資を受けられなくなるわけではありません。
ただし、追加融資では新たに借りる金額だけではなく、既存の借入残高や毎月の返済額も含めて、今後返済を続けられるかが確認されます。
事業融資そのものの種類や特徴について知りたい方は、事業融資とは?5つの融資先や借りやすい資金調達を紹介も参考にしてください。
追加融資を受けるには?主な4つの相談先
追加融資を検討するときは、現在取引している銀行だけでなく、ほかの金融機関や公的な融資制度も候補になります。
ここでは主な相談先を4つ紹介します。
現在取引している銀行に相談する
まず検討したいのが、すでに取引のある銀行です。
取引銀行はこれまでの融資や返済状況を把握しているため、追加で資金が必要になることが分かった段階で早めに相談するとよいでしょう。
特に、これまで問題なく返済を続けており、新たな資金需要を具体的に説明できる場合は、まず現在の担当者へ相談するのが一般的です。
別の銀行や信用金庫へ相談する
現在の取引銀行で希望する融資を受けられない場合は、別の銀行や信用金庫を検討する方法もあります。
ただし、金融機関を変えれば必ず融資を受けられるわけではありません。
現在の財務状況や借入負担そのものに課題がある場合は、別の金融機関へ申し込む前に、資金計画を見直すことが重要です。
銀行融資の種類や審査、必要書類について詳しく知りたい方は、法人が受けられる銀行融資とは?必要書類や審査のコツを解説をご覧ください。
日本政策金融公庫へ相談する
日本政策金融公庫も、追加の事業資金について相談できる金融機関のひとつです。
日本政策金融公庫では、小規模事業者・個人事業主や中小企業などを対象に、事業者の状況や利用目的に応じた複数の融資制度を案内しています。
ただし、「追加融資」という名称のひとつの制度を誰でも利用できるわけではありません。
すでに借入がある場合も含め、現在の借入状況や資金使途などをもとに、利用できる制度があるか確認しましょう。
自治体などの制度融資を検討する
自治体・金融機関・信用保証協会などが連携する制度融資も選択肢のひとつです。
利用条件や融資限度額などは地域や制度によって異なるため、所在地の自治体や金融機関に確認しましょう。
融資先ごとの特徴を比較したい場合は、法人向け|融資に通りやすい金融機関はどこ?も参考になります。
追加融資を受けるために確認しておきたい条件
追加融資には、「この条件を満たせば必ず受けられる」という一律の基準があるわけではありません。
ただし、申し込む前に少なくとも次の状態を確認しておきましょう。
- 現在の借入残高や返済額を把握している
- 追加で資金が必要になった理由を説明できる
- 資金の使い道と必要額が明確になっている
- 追加融資後も返済を続けられる見込みがある
- 現在の売上・利益・資金繰りを数字で把握している
この部分を事前に整理しておくことで、金融機関との相談も進めやすくなります。
詳しくは、次の「追加融資の審査で確認されるポイント」で見ていきましょう。
追加融資の審査で確認されるポイント
追加融資では、一般的な融資審査に加えて、「すでに借入がある状態で、なぜさらに資金が必要なのか」を説明できることが重要です。
現在の借入残高と返済状況
まず整理したいのが、現在の借入状況です。
- どの金融機関から借りているか
- 借入残高はいくらか
- 毎月いくら返済しているか
- 返済期間はどのくらい残っているか
などを把握しておきましょう。
追加融資を受けると毎月の返済額も増えるため、既存借入と合わせた返済負担を考える必要があります。
前回の融資から会社の状況がどう変わったか
追加融資では、前回融資を受けた時点から現在までに何が変わったのかを説明できるようにしておくことも重要です。
たとえば、
- 売上が増えて仕入れ資金が必要になった
- 大口案件を受注した
- 新たな設備投資が必要になった
- 新店舗の出店が決まった
- 原材料費や人件費が増加した
などです。
単に「資金が足りない」と説明するのではなく、前回の融資後に何が起き、なぜ追加資金が必要になったのかを具体的に整理しましょう。
必要な金額と資金使途
追加融資の希望額には根拠が必要です。
たとえば500万円を希望するのであれば、
「設備購入350万円、工事費100万円、関連費用50万円」
というように、必要額を積み上げて説明できる状態にしておきます。
設備購入なら見積書、仕入れなら発注書など、金額の根拠となる資料も準備しておくとよいでしょう。
現在の売上・利益・資金繰り
過去の決算だけではなく、現在の業績も整理しておきましょう。
特に決算から時間が経過している場合は、最新の試算表や資金繰り表によって直近の状況を説明できるようにしておくことが重要です。
追加融資後の返済計画
追加融資を受けた後に、毎月の返済額がいくらになるのかも確認しておきます。
その返済をどの売上・利益から行うのか、追加融資を受けた後も資金繰りを維持できるのかまで考えましょう。
必要資金や返済計画の整理方法については、資金調達計画とは?金融機関・投資家別の考え方やポイントを解説も参考にしてください。
追加融資を申し込むタイミングはいつがいい?
追加融資では、申し込むタイミングも重要です。
特に避けたいのが、手元資金がほとんどなくなってから慌てて金融機関を探すことです。
手元資金が不足する前
資金繰り表を確認し、数カ月先に資金不足が予想される場合は、早めに相談を始めましょう。
融資は申し込めばすぐに実行されるとは限りません。
相談や資料準備、審査などが必要になるため、資金が足りなくなる時期から逆算して動くことが大切です。
資金の用途が明確になったとき
設備投資、大口受注、新規出店など、新たな資金需要が具体化した段階も相談しやすいタイミングです。
必要額や資金使途を見積書などで説明しやすくなります。
最新の業績を説明できるとき
直近の売上や利益、資金繰りを確認し、現在の会社の状況を説明できる状態にしてから相談しましょう。
なお、「前回の融資から半年経過すれば追加融資を受けられる」など、一律の期間で判断することはできません。
前回融資からの経過期間だけではなく、返済状況や業績、資金使途などを踏まえて相談することが大切です。
追加融資を断られる主な理由
追加融資を申し込んでも、必ず受けられるわけではありません。
主な原因として考えられるのは次のようなケースです。
既存の借入負担が大きい
すでに借入が多く、毎月の返済負担が大きい場合、追加融資によってさらに返済額が増えます。
現在の利益やキャッシュフローに対して借入負担が大きくなっていないか確認しましょう。
業績や資金繰りが悪化している
売上や利益が大きく減少している場合は、追加融資によって一時的に資金を補うだけで問題を解決できるのかを考える必要があります。
赤字や資金不足が続いている場合は、その原因と改善策を整理することが重要です。
追加で資金が必要な理由が不明確
前回の融資を受けたにもかかわらず、再び資金が必要になった理由を説明できない場合があります。
「計画以上に事業が成長した」のか、「当初の資金計画に不足があった」のかなど、資金不足に至った経緯を整理しましょう。
希望額や返済計画に無理がある
必要額より大きな融資を希望していたり、追加融資後の返済計画が現実的でなかったりする場合もあります。
希望額、資金使途、返済計画をセットで見直しましょう。
追加融資を断られた場合の対処法
追加融資を断られた場合、すぐに同じ内容で別の金融機関へ申し込むのではなく、まず申込内容を見直しましょう。
断られた原因を整理する
最初に確認したいのは、
- 借入負担が大きくないか
- 希望額に根拠があったか
- 資金使途を十分に説明できたか
- 業績悪化について説明できたか
- 返済計画に無理がなかったか
といった点です。
原因を整理せずに次の金融機関へ申し込んでも、同じ問題が残ったままになる可能性があります。
資金繰りを見直す
資金繰り表を作成し、
- いつ資金が不足するのか
- いくら必要なのか
- なぜ不足するのか
- 融資後に返済できるのか
を改めて確認します。
資金繰りそのものに不安がある場合は、資金繰りの相談はどこにすべき?相談窓口一覧や選び方も参考にしてください。
事業計画・返済計画を修正する
売上だけではなく、仕入れや人件費などの支出も考慮し、無理のない計画になっているか確認しましょう。
必要に応じて、希望する融資額自体を見直すことも重要です。
別の金融機関や融資制度を検討する
申込内容を整理したうえで、現在の取引銀行以外の金融機関や、日本政策金融公庫、制度融資などを検討する方法もあります。
ただし、単に金融機関を変えるのではなく、まず追加融資が難しかった原因を整理することが大切です。
資金調達の専門家へ相談する
「融資を断られた理由が分からない」 「どの金融機関へ相談すればよいのか判断できない」 「事業計画や資金繰り表をどう整理すればよいか分からない」
という場合は、資金調達の専門家へ相談する方法もあります。
Bankmeでは、融資を含む資金調達について専門家へ無料で相談でき、現在の状況に応じた支援内容を比較できます。銀行やノンバンクで融資を断られた場合の相談にも対応しています。
【CTA】 追加融資について一人で悩んでいませんか? 既存の借入がある場合や、一度融資を断られた場合でも、まずは現在の財務状況や資金計画を整理することが重要です。
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追加融資を申し込む前に準備しておきたい書類
必要な書類は金融機関や融資制度によって異なりますが、一般的には次のような資料を整理しておくと相談を進めやすくなります。
- 決算書:過去の売上・利益・資産・負債を確認する資料
- 最新の試算表:現在の売上や利益を確認する資料
- 資金繰り表:今後の入出金や資金不足の時期を確認する資料
- 既存借入の資料:借入先・残高・毎月の返済額などが分かるもの
- 資金使途を確認できる資料:見積書・発注書・契約書など
- 事業計画・返済計画:融資後の事業と返済の見通しを説明する資料
実際に必要な書類は申し込み先によって異なるため、事前に確認して準備しましょう。
追加融資についてよくある質問
借入を返済中でも追加融資は受けられる?
既存の借入を返済中でも、追加融資を申し込むことはできます。
ただし、現在の借入残高や返済状況、会社の業績、追加資金が必要な理由、返済計画などを踏まえて審査されます。
追加融資は何回まで受けられる?
「追加融資は○回まで」という一律の回数で判断することはできません。
金融機関や融資制度、借入残高、財務状況などによって異なります。その都度、追加で資金が必要な理由と返済可能性を整理して相談しましょう。
前回の融資からどれくらい期間を空ければいい?
一律に決められた期間があるとは限りません。
前回融資からの経過期間だけではなく、これまでの返済状況や現在の業績、追加資金が必要になった理由などによって判断されます。
赤字でも追加融資は受けられる?
赤字だからという理由だけで、すべての追加融資が一律に不可能になるとは限りません。
ただし、赤字になった原因や今後の改善見込み、追加融資後の返済計画などを説明できるようにしておく必要があります。
日本政策金融公庫でも追加融資を相談できる?
すでに借入がある事業者でも、新たな事業資金について日本政策金融公庫へ相談できます。
日本政策金融公庫では事業者や利用目的などから利用可能な融資制度を探せるようになっています。実際に利用できる制度や融資の可否は、事業者の状況などによって異なります。
追加融資を断られたらすぐ別の銀行へ申し込んでもいい?
別の銀行へ相談することは選択肢になりますが、まずは申込内容や財務状況を見直しましょう。
希望額や資金使途、返済計画などに課題がある場合は、同じ内容のまま別の金融機関へ申し込んでも状況が変わらない可能性があります。
まとめ|追加融資は資金が不足する前に準備しよう
既存の借入が残っていても、追加融資を検討することはできます。
重要なのは、
- 現在の借入・返済状況を把握する
- 追加で資金が必要になった理由を明確にする
- 必要額と資金使途を具体的にする
- 追加融資後の返済計画を立てる
- 資金が不足する前に早めに相談する
ことです。
追加融資を断られた場合も、すぐ別の金融機関へ申し込むのではなく、まず財務状況や資金計画を整理しましょう。
自社だけで追加融資の進め方を判断するのが難しい場合は、専門家へ相談することも選択肢のひとつです。
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