ファクタリングの二重譲渡とは、同じ売掛債権を複数のファクタリング会社へ譲渡することです。
「登記をしなければバレない」「2社間ファクタリングなら分からない」と考える人もいるかもしれません。しかし、必要書類の確認や入金状況の照合、債権譲渡登記などをきっかけに発覚する可能性があります。
また、二重譲渡と、複数社への相見積もりは別の行為です。本記事では、二重譲渡が発覚する理由やリスク、問題のない複数社利用との違いを解説します。
ファクタリングの二重譲渡とは
二重譲渡とは、一度ファクタリング会社へ売却した売掛債権を、別の会社にも売却することです。
例えば、取引先に対する100万円の請求書をA社へ譲渡した後、同じ請求書をB社にも譲渡した場合が該当します。一方、契約前に複数社から見積もりを取ることや、異なる請求書を別々の会社へ譲渡することは、原則として二重譲渡には当たりません。
| 行為 | 二重譲渡に該当するか |
|---|---|
| 契約前に複数社から見積もりを取る | 原則として該当しない |
| 異なる請求書を別々の会社へ譲渡する | 原則として該当しない |
| 契約後、同じ請求書を別の会社へ譲渡する | 二重譲渡に該当する可能性が高い |
ただし、複数社の利用を制限する契約もあるため、契約書の確認は必要です。
ファクタリングの二重譲渡はなぜバレる?
二重譲渡が必ず発覚するとは限りませんが、次のような確認から判明する可能性があります。
必要書類の内容に矛盾が生じる
審査では、請求書だけでなく、取引履歴や入出金明細、売掛先との契約書などの提出を求められることがあります。他社への譲渡状況を隠して申し込むと、書類や申告内容に矛盾が生じ、追加確認を受ける可能性があります。
債権譲渡登記を確認される
法人が保有する債権では、ファクタリング会社が債権譲渡登記を行う場合があります。
法務省によると、登記事項概要証明書などは誰でも請求できます。ただし、概要証明書には個々の債権を特定する情報までは記載されません。そのため、登記だけで二重譲渡が必ず判明するわけではありませんが、既存の譲渡を確認する手掛かりになることがあります。
支払期日に入金できない
2社間ファクタリングでは、売掛先から利用者へ入金された代金を、利用者がファクタリング会社へ送金します。同じ売掛債権を複数社へ譲渡していると、1件分の入金を複数社へ支払うことはできません。支払いが遅れると、ファクタリング会社による確認が行われ、二重譲渡が判明する可能性があります。
売掛先への確認が行われる
契約違反や支払いの遅延などが起きた場合、ファクタリング会社が売掛先へ債権の状況を確認することがあります。2社間ファクタリングだからといって、どのような場合でも売掛先へ知られないわけではありません。
二重譲渡にはどのようなリスクがある?
契約解除や損害賠償を請求される
二重譲渡が契約違反に該当すると、契約解除や買取代金の返還、損害賠償などを求められる可能性があります。具体的な責任は、契約内容や譲渡の順序、当事者の認識などによって異なります。
刑事上の問題になる可能性がある
二重譲渡をしただけで、直ちに特定の犯罪が成立するとは限りません。ただし、すでに譲渡した事実を意図的に隠し、同じ債権を使って別の会社から代金を受け取った場合などは、詐欺や横領などの刑事上の問題になる可能性があります。
個別の判断が必要になるため、問題が起きている場合は早めに弁護士へ相談してください。
売掛先や金融機関からの信用を失う
調査の過程で売掛先へ連絡が入ると、取引上の信用を損なう可能性があります。ファクタリング会社や金融機関との今後の取引にも影響するおそれがあります。
「二重譲渡はバレない」という情報を信じてもよい?
5chや知恵袋などで「二重譲渡はバレない」という体験談を見かけても、そのまま信じるべきではありません。
投稿者の契約内容、債権譲渡登記の有無、支払い状況などは確認できません。一時的に発覚しなかった事例があっても、二重譲渡が問題のない行為になるわけではありません。「バレるかどうか」ではなく、同じ債権をすでに譲渡していないかを基準に判断しましょう。
複数のファクタリング会社へ申し込んでもよい?
契約前に複数社から見積もりを取り、手数料や入金条件を比較することは、通常は二重譲渡に当たりません。
- 同じ売掛債権について複数社と買取契約を結ばない
- 契約済みの債権を別の会社へ申し込まない
- 他社利用について質問された場合は正確に申告する
- 契約書の禁止事項や申告義務を確認する
- 異なる債権を使う場合も、既存契約に制限がないか確認する
見積もりを比較したい場合は、契約前の段階で行うことが大切です。ファクタリング会社を比較する際は、ファクタリングの一括見積もりを利用するメリットと注意点も参考にしてください。
二重譲渡をしてしまった場合の対処法
二重譲渡の可能性に気づいた場合は、問題を隠したまま新たな申し込みや書類提出を続けないでください。まず、次の情報を整理します。
- 譲渡した売掛債権
- 各社との契約日
- 受け取った金額
- 売掛金の入金日
- ファクタリング会社への支払状況
- 契約書やメールなどの記録
そのうえで、契約先へ早めに相談します。すでに複数社から代金を受け取っている場合や、支払いが難しい場合は、弁護士への相談も検討してください。
まとめ
同じ売掛債権を複数社へ譲渡すると、書類の照合、債権譲渡登記、支払期日の遅延、売掛先への確認などから発覚する可能性があります。
複数社への相見積もりや、異なる債権の譲渡まで一律に禁止されるわけではありません。重要なのは、同じ債権について複数の買取契約を結ばないことです。
資金調達を急いでいる場合も、契約内容と手数料を比較してから利用先を決めましょう。Payなびの無料一括申し込みでは、条件に合うファクタリング会社をまとめて比較できます。
※本記事は一般的な情報を提供するものであり、個別の法律判断を行うものではありません。




